食堂はすでに人で溢れていた。どうやら、帰城した兵士たちも昼食をとりにきているようだった。


その中、金と銀の目立つ容姿をもった二人組が入ったことで、一気に目線が二人に集中する。


マリーはそんな目線に気づいていないのか、キョロキョロと見たことがないほどいる人間を観察している。

主にマリーに集まる視線をさりげなく遮りつつ、シリウスは席を探す。


どこもかしこも兵士だらけだ。席を確保するのは難しそうだな…


そう思いつつ、食堂の中へ足を進めようとしたときだった。


ざわめきが一瞬で消え去る。


背中に熱いなにかを浴びせられたかのような強い気を感じ振り向いたシリウスが見たのは…



側近とともに食堂へ入ってきた王弟その人だった。