汗が額をつたう。


な、なんか散歩とはいえないかも、これ…


マリーは、草木をよけ、黙々と斜面を登っていた。


しばらく斜面を登っていたマリーだったが、延々と続くかと思われた冒険も、突如終わりを告げた。



「……っうわ〜!」



目の前に開けた視界に、マリーは感動の声をあげた。

山の斜面をくり貫いたような小さな広場が広がる。石畳とベンチしかないそこは、何よりも景色が美しかった。


何も遮るものがないため、街の様子が一望できた。


レンがづくりの街が目に優しく、周囲の木々が街をさらに美しく見せていた。