着いた先には、石造りの平らな建物が何棟も並んでいた。


2階建てだから低い建物だが、その分広さがすごい。

ここは兵士のための宿舎なのだと、受付の兵士が言っていた。


今回のように、一時的に城に人を泊める場合に、平民であればここに入れられるよう、規模の大きいものを造ったそうなのだが、城という一区画の中にこれだけのものを造るのだから、すごいとしかいいようがない。


マリーはお師匠様と連れ立って、部屋へと入る。


そこは、二段ベッドと簡素な机、椅子が置かれただけの部屋だったが、マリーとシリウスは元々質素な暮らしをしていたため、全く気にならなかった。


とりあえず荷物を置き、旅装を解いた二人は、椅子に座り、一心地つけた。