このまま走れば、今ごろ始まっているであろう、帝国軍とアルヌスの東王軍、つまり第二師団とがぶつかり合っているさなかに出れるはずだ。



そうすれば、今追ってきている敵も、上手くすればアルヌス軍に追っ払ってもらえる。


東王の下にもぐりこめば、しばらくは安全だろう。




そう考え、シリウスは祈った。


頼むから、それまではつぶれてくれるなよ!



その祈りに応えるかのように、マリーとシリウスを乗せた馬は、森の中を、スピードを落とすことなく駆け抜けていった。