ぶるりっ


そう首を振った馬は、『重いっ!』と抗議しているようだった。


マリーは何だか申し訳なくなり、  


「ごめんね?お馬さん。よろしくお願いします。」


と馬にむかって頭を下げる。

するとふたたび、


ぶるるっ


と馬が鳴く。まるで、『仕方ないなっ』とでもいうかのように。



しばらくその光景を笑みとともに見ていたシリウスだったが、再び気を引き締め、馬を走らせはじめたのだった。