そう言ってシリウスが示したのは、木につながれた馬だった。



う、馬…?
なんで…?



そんな疑問を汲み取ったのか、


「いざという時のために、ここで育てていたんだ」


そうシリウスは続けた。


いざ…やはり、お師匠様は今がそのいざという時だと考えているのか…




そう思いつつ、シリウスの手を借り、馬の背に乗ったマリーの後ろに、シリウスがひらりと乗り込む。