な…に?なにが起こったの?



常にない体の感覚に、パニックを起こしかけるマリーだったが、そんなマリーを差し置いて、体は勝手に動き始めた。



きゃっ!え、え、え?



くるんと後ろを向き、パタパタと駈けていく体だったが、どうやら視界は共有できているようで…



カ…イ…?



視線の先には、古めかしい文様の入った黒い鎧をつけたカイ…いや、カイに似た男がほほ笑みをたたえていた。



誰なの…?ううん。これはもしかして…



『魂の記憶です』

…っ!誰なのっ?



突然聞こえてきた声は、しかしマリーにとって馴染みのある声だった。


それは、自分の声だった。