広場にあるベンチに座り、ぼ~っと景色を眺めていると、身体に力がみなぎってくるのがわかる。


マリーは昔から植物に囲まれて育ったためか、身近に植物があると元気がでた。


ベンチの背もたれに頭をのせ、空を見上げる。



不思議なもので、なぜかこの空を自分は以前にも見上げたような気がした。


明るく光る空。


カイのものとは違うけれども、その美しい色を自分は以前にも…



そのときだった。


まるで占いをしているときのように。


自分が自分でなくなるかのようなあの感覚がマリーを襲った。



「あ…あ…!」


突如襲った感覚にマリーは声も出せなくなり、そのまま目の前の景色は真っ暗に変った。