お師匠様のことだ。きっと様々なことをその頭の中で考えているに違いない…



でも、王弟殿下であるカイに話すようなことってなんなのかしら?



ぐるぐると答えのない疑問に朝から襲われつつ、マリーは服を着替え、散歩へと出かけた。


昨日みつけたあの広場から見る景色は、朝日の照らす中ではまた格別だろうと思ったからだ。


そして、もしかしたらまたカイに会うことが出来るかもしれないという思いもどこかにあったためだ。


しかし…


朝日がきらきらと木々の間から差しこみ、幻想的な風景を作り出しているその広場に、カイの姿はなかった。



あたりまえか…カイは東王様なんだもんね。



がっかりとした気持ちは隠せなかったが、思ったとおりきれいな景色に、マリーの気持ちは少しずつ上昇していった。