「ここからは、真面目な話だが…」



そう言ってダグラスに向き直ったカイに対し、「今までだって真面目だったよ…」とダグラスは言っていたが、ぎろっと睨まれ、口を噤んだ。



「これは、お前だから話すことだ。他言は無用だ」



わかっているな?とばかりに目を見られ、当たり前だと、ダグラスはうなずく。



「実は…」



シリウスから聞いた話は、まだ自分の中で整理されていない。だから兄には話せなかったが、この昔からの幼馴染にはそういった話も話すことができた。


無論、帝国内での魔術師の動きというものが関わっているような気がするのもその理由だったが。


話を聞き終わったダグラスは第一声、「そのマリーって子が、お前の女か?」と聞き、またもやカイに頭を殴られたのは言うまでもなかった。