「なんでって、俺の帰宅路におまえが居たんだろが」

「知りませんよ、アンタの家がどの辺とか」

「おまえな…サボり見逃してやった上司に、んな態度でいいと思ってんのか。つぅか、俺残業上がりだぞ」

可愛くねーのは最初からとはいえ、あんまりな態度に呆れる

「…どうも」

「ありがとうございます、お疲れ様です。ぐらい言えねーのか」

別に俺以外には社交辞令もツラツラ出てくるよーな奴に、本気で説教する気はないから冗談ぽく済ませて時計を見る

ーーー11時、か

「寒ぃな。三浦、おまえ今から暇だろ。飯行くぞ」

「はっ?!暇じゃないですよ!っつうか俺もうメシ食いましたから!」

「いーから、たまには上司に付き合え。俺は腹減ってんだ」

グズグズ言う三浦を引っ張って、安いチェーン店の居酒屋に入る

「って、居酒屋かよ!飲む気か、アンタ」

「俺んち寒ぃからな。飲んで暖まったら帰る」

「帰りてー…」

そーゆーのは、上司と取引先相手の前では腹んなかで言え