そのあと、晴季はぼろぼろになって帰ってきたものの、しっかりとパンを握り締めていた。


それをみんなで食べて、気付けば昼休み終了のチャイムが流れていた。



「確か、今日から掃除場所かわるよね?」



唐突に鞘がそう言って俺は、はっとした。


今日から厳しくハードな職員室の担当だったから。



「うっわ、俺、最悪……」


「何?ゴンザレス?」



ゴンザレスは、職員室担当の教頭のあだ名だ。


陸は、楽しげに確認すると、ドンマイ、と肩を叩いた。


俺は、がっくりと肩を落として、荷物を持つと誰よりも早く屋上を降りた。