RRRRRRRRRRRRRR…_

 「…ーっさいなぁ!!」

 6:00ぴったり。

 カーテンの隙間から日差しが
 差し込んできた朝

 目覚まし時計が大きな音をたて
 て私を呼んでいた。

 (せっかく気持ち良く人が寝てるっ
  つーときに)

 な~んて自分のセットした時間に

 鳴る目覚まし時計に逆切れしながら

 勢いよく目覚ましを止めた。

 そして一階のリビングからは、

 いい匂いとともに

 お母さんがさけんでいる。

 「あ~ん!杏ってば!今日って
  真菜ちゃんといっしょに
  ジョギングいくんじゃなかったぁ?」

 「やっばっ わすれてた」

 そうだ、もうすぐ私の所属している

 バスケ部はもうすぐ背番号がきまる

 といったから、私は体力作りのために

 今日から同じ部活に所属する真菜と

 6:00からジョギングすると昨日約束

 したことをすっかり忘れていた。

 
 ・

 ベットから転がり落ちるように降りて

 いそいで髪の毛セットして、昨日脱いだ

 まんまの学校の緑色の体操着を着て

 私はあわてて家を出た。

 そして待ち合わせ場所まで走った。

 「――っ遅れてごめんっ…」

 「だいじょ-ぶっ。じゃいこっか」

 真菜はもう来ていた。でもなんて良い人

 なんだろう…遅れてきたのにもかかわらず

 笑顔で私に挨拶しているよ。

 
 って…

 ちょっとまって。あたしの足になんか

 温かいものがくっついているような~…

 おそるおそる足元を見ていると、

 「うぎゃぁ~」

 変な声をあげて叫んでしまった。

 そう、足元には真菜の愛犬、

 『遥奈』がちぎれそうなほど

 しっぽを振ってあたしの足に

 しがみついていた…

 どうやら遥奈の散歩をしながら

 ジョギングするようだ。

 な~んてことであたしの朝は始まった。