ユアンは前から京都に行きたかったみたいで
だからなのか、頬を軽く赤く染めている。
「……かーわいっ」
ユアンの赤い頬をつつきながら、あたしはある重要なことに気が付いた。
「…あれ?でも京都までどうやって行くの?」
「そこは俺に任せろ!!」
絶妙なタイミングでパチンと携帯を閉じたかっちゃんの瞳は、ランランと輝いている。
どうやらどこかに電話していたらしい。
現状を理解できないあたしとユアンそっちのけで、かっちゃんとちーちゃんは盛り上がっている。
「さっすがーかっちゃーん!!じゃあ学園の場所使わせてもらうの?」
「おうっ!!こんなこともあろうかと申請しておいたんだ!!
杏樹、ユアン行くぞ」
「え?ちょ…ぇえ?」
あたしとユアンはわけも分からないまま2人に引っ張られていった。
《ババババババババッ》
「ねぇ、かっちゃん…」
「ん?何?」
《ババババババババッ》
「…これで京都まで?」
「そっ俺が用意してみたー」
既に乗り込んでいるちーちゃんが手を振っている。
激しく状況についていけないあたしとユアンの目の前には、
ヘリコプター。
「2人ともー!!早く早くー!!」
かっちゃん、すごく楽しそうだけど…
…あなたはいったい何者ですか!?!?