ユアンを連れて待ち合わせの寮の入り口まで行く。
「あ、杏ちゃんとユアン君!!」
「ははっユアン寝癖立ってるし」
「かっちゃーん。ちーちゃーんお待たせー」
二人は既に来ていて、ベンチに座ってこちらに手を振っていた。
インフォメーションセンターで外出の手続きを済ませて、
あたし達は学園の敷地の外に出てきた。
「どこか行きたいところある?」
かっちゃんが携帯を取り出しながらあたし達の方を振り返る。
「あたし、京都ならバッチリ案内できるよーっ」
はーいと手を挙げたのはちーちゃん。
……京都かぁ
「そういえばあたし、行ったことなかったなぁ」
あたしがほくほくと身体を揺らすと、ちーちゃんがニッコリ笑った。
「ユアン君もいい?京都で」
「うん。行きたい」