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7月◇日


うだるような暑さも、この学園の完璧な空調システムのおかげで、敷地内どこも快適である。



…そんな中、ユアン・クラウドは自室で目を覚ました。



「……………ん」


「あ。おはよーユアン」



ユアンがうっすら目を開けば、そこには彼の顔を超至近距離で覗き込むあたし。



真っ青な海のような鮮やかな青色の瞳に、あたしの顔が映っている。



「………………………………うわわぁ杏樹!?!??」

「It's about time you
got up.(そろそろ起きましょーね。)」



驚きのあまりベッドから飛び起きるユアンを眺めながら、あたしはニンマリ微笑んだ。



「ユアンっ今日は初めての外出許可日なんだから外行くって話だったのにー!!」


「え、あぁ…っていうか何で杏樹が俺の部屋にいるんだよ!?!?」


「ささっ早くご飯食べて外に行こう!!
かっちゃんとちーちゃんが街案内してくれるんだから!!」


「分かったって!!だから引っ張るな!!」



今日は土曜日で、あたしとユアンが来てから初めての外出許可日である。


久しぶりに日本を歩けるなんてすごく楽しみなあたしは、日本案内をかっちゃんとちーちゃんにお願いしていた。