「Idiot!! I was worried about you!! What happened…
(このバカ!!心配したんだぞ!!いったい何が…)」
「I'm sorry…It's my fault.(ゴメンなさい…あたしが悪いの。)」
ユアンが英語を話したのは、日本に来てから初めてのことで
それは何より、それだけ今、ユアンが動揺してるということの表れ。
………………っ
あたしはユアンのシャツに額を擦り付ける。
なんだか色んな感情がごちゃごちゃになって、あたしの胸を掻き乱す。
「杏樹…」
ユアンが優しくあたしの髪を撫でるのを感じながら、あたしはしばらく自身をユアンに委ねていた。
「…おとりこみ中すみませんがー」
何ともヘロッとした御堂凪が、手をふりながらこの空気を壊した。
そのままあたしとユアンの前までスキップで来ると、ユアンに向かって手を差し出す。
「君がユアンくんだーよーネ?俺、御堂凪っていうんだーよーネ」
「…知ってる」
ユアンは差し出された手を一瞥すると、スッと目を細めた。
「杏樹に何のようだ?」