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「あんじゅー遅かったねーっ?」
教室に戻ると、案の定由里亜がポッキーを食べていた。
「杏樹来るの遅いからもうポッキーないよー」
「……………」
「………杏樹?」
「ねぇ由里亜…」
「ん?」
「なぁに?」と首を傾げる由里亜。
あたしはノロノロとした動きで席につく。
「あたし殺されるかも」
「…………は?」
「いやだ~まだ死にたくない~」
「おいそれどういうことだよ」
ぐりぐりと机に擦り付けていたあたしの頭を掴んだのは、ユアンだった。
…どこから来たんだ?
さっきまでは由里亜のそばにいなかったはずなのに
ちょっとした疑問を抱きつつも、由里亜とユアンに先程の事を説明した。
「………………」
「………………」
「………やっぱ、マズイですよね~」
説明が終わると、案の定2人は無言。
由里亜にいたっては放心状態。
「………由里亜?」
「………杏樹、これからはあたしのそば離れないでね」
「え?」
由里亜を見ると、ひどく真剣な表情をしていた。
「初等部から冬矢翡翠を見てきたけど、アイツは女でも容赦ないよ。
気に入らない子の会社潰したり、自分に刃向かってきた子を学園で孤立状態にさせたって話も聞くし。
…杏樹を辞めさせるなんて、アイツにしてみれば遊び感覚で簡単にやれることなんだから」
「……………」
「あたしもできる限りはフォローするけど。いつ何されるから分からないから注意してね」
「………………」
由里亜の話を聞いて思ったことが1つ。
……………あたし
いったいあと何日生きていられるのでしょうか。