「凪とその後ろの奴ら。お前ら外出てろ」
「えーしょーがないな。じゃ杏樹ちゃんまたねー」
「「「冬矢さんそいつをぎったんぎったんにしてやって下さい!!!」」」
《バタンッ》
とりあえず、うるさそうな4人は出ていって
屋上に残ったのはあたしと冬矢翡翠。
「……………」
「……………」
もちろん会話なんてない。
この人の考えてることが分からない。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「……誰もいなくなったな」
5分程の沈黙があってから、口を開いたのは冬矢翡翠の方。
「………………ぇ」
誰もいなくなったって…
あなたが追い払ったんでしょ!?!?
自分がついさっきやったこと忘れるって大丈夫??
…なんて口に出したら
その時点であたしは殺されるかもしれないので
心の中で思うだけに留めておいた。
「…………テメェ」
…が、どうやらバレていたらしい。
冬矢翡翠がスローで眉をよせた。
「ひっ…………」
ヤバイっ!!!!
殴られる!!!!
思わずギュッと目を閉じるが、気配で冬矢翡翠が近付いてくるのがわかる。
「…なんでこの学園に来た」
「…………え?」