頭に伸ばされた手を跳ねつけた。
「………………」
オレンジ頭は驚いたのか目を見開く。
……何なのこの人
あたしにちょっかいだせるのはユアンだけだっつーの!!!!
普段はそんなこと微塵にも思わないけど、この時はユアンの名前を拝借した。
「授業があるので話は手短にお願いします」
ぴしゃりと言い放ってオレンジ頭から目を離すと
「…………はっ」
黒髪、もとい冬矢翡翠に鼻で笑われた。
………………なっ!?!?
ムカつく!!!!
こっちの人ムカつく!!!!
「…何がおかしいの!?」
我慢ができなくて思わず食ってかかるあたしを
「お前、うぜぇ」
冬矢翡翠は地面に突き飛ばしてきた。
「…………っ」
いきなりのことに反応が遅れて尻餅をつく。
ジンジンと痺れるような痛みに耐えながら冬矢翡翠を睨みつけると
冷めた瞳でこちらを見下ろしてくる。
「翡翠~相手は女の子なンだから~乱暴はダメだよぉ~」
「女だからって容赦しねーよ」
「杏樹ちゃんに乱暴しないでヨ~」
「乱暴じゃねぇ教育だ」