「でも喧嘩なんてしたらそれこそ親に連絡いくんじゃ…?」


「相手が自分の親の企業の傘下の企業の社員だったらいくらでもケチつけられるでしょ?

それに系列が関係なくても、上手くすれば相手の企業の評判下げられるし
それをネタに脅したりとか卑劣なことをする企業もあるわけ。
いくらでも、策はあるものなの。

まぁ人前で喧嘩を仕掛ける奴は、よほど自分の親の企業に自信を持ってる奴

さっきの2人も、長年親同士がライバル会社だからね。
子供同士が喧嘩して、親同士も喧嘩してるのかもね」



「あとは、プライドですかね。自分が上に立っていたいっていう」



「そう。自分がエライって思って横暴ぶる子、
けっこう多いんだ。

実際に傘下の企業の社員の子供を言いなりにさせたりって話も聞くし

それが目について喧嘩に発展したりとかね。
お前ごときが偉そうにするなって」



「えー…なんかすごい」



あたしには難しい話だ。



「あの2人は…」


そう尋ねるユアンが微妙に眉をよせた。



「あの2人…黒髪が冬矢翡翠(トウヤ ヒスイ)でオレンジ髪が御堂凪(ミドウ ナギ)。

2人とも初等部からここにいるんだけど、どちらも日本を発展させた大企業の子息。

ここであの2人に逆らう人はほぼ無しってくらい権力的に強いかな」