職員室に着くと、渉が担任に手を振った。
「先生ぇ日誌もらいに来ました」
「おぉ和泉。そうか今日はお前ら"あおいずみ"コンビが日直か」
担任のよーちゃん先生がプリントで溢れている机をガサゴソといじっている。
…………先生。
"あおいずみ"コンビって、何ですか……?????
あたしが顔を引き攣らせていると、ふと渉と目が合った。
ニヤリと口角を上げた渉は、少し体勢を崩してあたしにもたれ掛かってきて、
渉の白いシャツがふんわりとあたしに触れた。
「俺とコンビ組めるなんてさぞや嬉しいだろ」
「やめて本当虫ずが走るから」
「……若菜。誰に向かって口きいてる」
「そんなの渉しかっ…痛い痛い痛い!!!!」
「あーもーダメだ。俺すっげえ気分悪い」
「いやぁちょっ…ゴメンなさい調子乗りました!!限定の胡椒天むす買ってくるから!!!」
胡椒天むすに心惹かれたのか、渉はようやくあたしの顎を掴んでいた手を離してくれた。
「うぅ…いたぃ…」
「はっはっはっ、仲が良いなーさすが"あおいずみ"コンビ」
「ちょっ…!!!先生それやめ…んぐっ!!!!」
「じゃー失礼しました」
背後からあたしの口を塞いだ渉は、日誌をヒラヒラと振って職員室から出ていった。