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「おはよー若菜。相変わらずハイテンションだねぇ」
「うるさいりっこ!!!!」
「あーあーイライラしてるね…で?今日はどうしたの?」
「………だってだって!!渉がっ!!」
「でたよ和泉君ネタ」
あたしは朝から友達であるりっこに怒りをぶちまける。
「何!?なんなの!?あの横暴な態度っ!!!!お母さんの前では気持ち悪い好青年気取っちゃってさ!!!」
「まぁ…和泉君て見た目爽やかだしね」
「当たり前のように人に荷物持たせて!!!!
だいたい人が寝てるの邪魔してくるとか!!!
不法侵入じゃんっ!!!!」
「へーぇ毎朝起こしてもらうんだ(笑)」
「この前なんて…ってちょっと!!!りっこ!!!あたしの話聞いてよー!!!」
なんとりっこは必死に話しているあたしの前で携帯をいじりだした。
「だって毎日ワンパターンだし…」
「~~~~~っ」
たまに、りっこのマニキュアが綺麗に塗られた爪が携帯にあたる音を聞きながら、あたしは頬を膨らませる。
「まぁいいじゃん。あんな綺麗な顔の幼なじみがいるなんて。和泉君、わりと人気あるんだし」
「………幼なじみなんかじゃない」
ふと、教室の真ん中で友達に囲まれている渉の姿が視界に入った。
「…渉はただの隣人ですっ!!!!」