―――――――――――――――――


「へーえ若菜と榊原が、ねぇ…」


「そうなのっ!!榊原君が話かけてくれたのっ!!かっこいいのっ!!」



ただ今お昼休み。


あたしは榊原君とのことをりっこに自慢していた。



「榊原って、学園の王子じゃん。あいつ図書委員なんかやってんだ」



「うんっ!!そうなの!!イメージピッタリだよね!!
明日から一緒なのっ!!」



あまり興味なさそうなりっこをほっておいて、早くもあたしの頭の中は明日のことでいっぱいだった。



どうしよう、明日…



渉に頼んでリボンかわいいの選んでもらおうっと…



「………若菜」



それとも榊原君は規則破るより、学園指定のリボンつけてた方が好きかな…



「……若菜」



髪、巻いてみようかな…



《バシッ》



「いった!?!?」



突然頭に走った激痛。


ジンジンと痛みに耐えながら、あたしはゆっくりと振り返る。



「………渉」


「…何回も呼んでんだけど?」



予想通りそこには渉の姿があった。



あたしは無意識に眉を寄せながら、渉を睨みつける。