今は夏休みを目前に控えた7月の半ば。
少し開いたカーテンからさしてくる朝日が、薄暗い部屋の中に柔らかな光の線をつくって
タイマー設定が切れて、既に止まっている扇風機の影を部屋に映し出す。
夏独特の、けだるいような暑さを体に感じながら
「………ん…」
あたしは眠りから覚醒する。
「…ぁぅ……ふ…」
体をもぞもぞと動かして、枕元の時計を見れば
「…まだ6時じゃん。目覚ましより全然早いや」
重たい頭を支えながら、時計の文字盤をつついた。
目覚まし時計は7時に設定してあるし、まだあと1時間もある。
それに今日は確か全校朝礼があるから、多少遅刻してもバレないし…。
…よし、もう一度寝よ。