「で、月姫はどうしたわけ?
こんな時間に此処に来るなんて」
玲二の鋭い視線が私を射た。
優さんも、玲二の言葉に頷いてみせる。

「学校が、休みだったからな」
「それでも、こんな時間に来たことはなかったよな? 何があったんだ」
苦し紛れにだした言い訳は直ぐに切られる。
・・・・・・本当は、優さんだけにお別れを言いに来たのに。

「・・・・・・」

「おい、月姫。
ハァ・・・・・・黙りかよ。

ったう、理由言わねーなら龍也に報告して来てもらうぞ?」
携帯を取り出し、顔の横でストラップを掴みプラプラさせる玲二。


チッ・・・・・・
ストラップが切れて落ちればいいのに。

「電話、かければいいだろ・・・・・・?」

「はっ?」
驚いた顔をする玲二。
優さんも、グラスを拭いていた手を止めこちらを見てくる。