一方、壇上下から見ていた人達は・・。
「兄貴こっちこっち!!」
柚姫達が、壇上の上に上がったと同時に、李斗と沙耶がやってきた。
なぜか、出場者の身内には特別観覧席が設けられるらしくて、こんな人だかりの中、玲徒達を探すのは簡単だった。
「もう始まってんのか??」
「今始ったばかり、柚姫・・大丈夫かな」
「大丈夫だろ」
李斗とは違う声。
「志十!!お前いつの間に」
「今来たところ。ってか何だこの席・・ちょっと目立たねーか??」
「身内特別観覧席だとよ。佐々木姉妹は何を考えてんだか」
「身内特別観覧席か、なるほどな」
志十とは違う声。
「古城!!お前も今来たのか??」
「お前らが消えたせいで、俺がどんな目に合ったか・・この行事が始まったとたん客が居なくなったから来たんだよ」
「あ・・わりぃ、お前の事すっかり忘れてたぜ」
すると志十は冬矢を睨み、
「あんた、身内じゃねーし」
「悪いな。この子もここで見学したいって言うから。」
冬矢は奈々子を側に置いた。
「ヤロー・・奈々子さんを使いやがって・・」
「お前らまだ仲悪かったのか??いい加減仲良くなれよ・・・ってか柚姫応援しろよ。その為に来たんだろ??」
2人は目を柚姫に向けた。
柚姫は、湯加減に目を光らせていた。