僕は伊織先輩の反応が気になり聞いてみた。


「……ねぇ、そいつって無駄に暑苦しい言動をする篠原 千景?」


「?そうっすよ」


「……ハァー」


今度は大きなため息まで……


僕と真木、志水がびっくりしていると先輩は話しだした。


「篠原は何かとオレと張り合おうとするんだよ……」


「……あぁ、それっぽいすね。篠原先輩は……」


先輩と真木はあらぬ方向を見ながら悟りを開いたような顔をしている。


ーーどうしよう……


「真木の朝の話からしたらそういうタイプであってもおかしくないね」


確かに、朝真木は偉そうな先輩がペアだと言っていた。


「うん、そうなると今日の訓練は決着つけるのにかなり時間がかかりそうだね」


ペアでの訓練はよっぽど実力に差がないかぎり降参と本人たちが申告しないと試合終了にはならない。


志水が僕の言ったことにそうだね。とかえしたとき


「利都ちゃん……ごめんね、今日はいつもの倍は疲れると思うよ……」


「かまいませんよ」


こんなにも落ち込んでいる先輩に、何か言うのは躊躇われた。


そうして僕は真木の方を見た。


「個性的な先輩と組んでるんだね」