「南 伊織って言ったら7年武器科でダントツだぜ!」


「うんっ、武器科全体で見てもトップ5には入るんじゃないかな」


真木と志水によってもたらされる今まで知らなかった伊織先輩の実力に僕は驚くしかなかった。


「だからもう前の南先輩のパートナーは卒業してしまったけど、その人も強かったからアカデミー最強って言われてたんだよ」


そんなこと言われてたんだ……


僕、この間会うまで存在も知らなかったのに……


「だ・か・ら、羨ましいって言ってんだよ。わかったかぁ?」


真木が顔を寄せてきて聞いてきた。


「うんっ、僕が運が良かったことがよくわかったよ」


「もっと驚けよ!!」

笑いながら背中をバシバシ叩かれた。


……いたい…


キーンコーンカーンコーン


「あっ!チャイムだね。北条またあとでね」

「あ~授業面倒くせー」


志水と真木は自分の席に戻って行った。


それからすぐに先生が来て、授業が始まった。


最近の朝は本当に賑やかで悲しみに浸ることが少なくなったな。


僕は授業の内容を大体知っているのでいつも先生の話に耳を傾けながら考え事をしている。