「じゃあ、利都ちゃん。気配けしてくれる?」


先輩に声をかけられ我にかえった。


「わかりました」


【我はカミの加護を受ける者なり。契約という名の元に我々を守れ】


詠唱が終わると


「利都ちゃんの詠唱短くない?他の奴らは長々唱えるよ?」


先輩はとても不思議そうに聞いてきた。


「僕は北条の人間ですから」


先輩はぴんとこないようだ。


「代々魔法をうけついできた一族それが北条です。だから特別な契約があって、一族を継ぐ者のみがその契約でカミと契約します」


いったんくぎってから


「僕は双子の妹と共に北条を継ぐ事が決まっていたので契約も済ませていたんです」


「後継者は一人じゃなくてもいいの?」


「一族では双子は二人でひとつ、つまり二人で完全とみなされたんです。だから後継者争いは無いから早くから儀式を受けたんです」


「だから詠唱はある程度省いても魔法は発動する、と」


先輩は珍しそうにみてくる。


「でも、まぁ妹が居なくなってしまった今僕は不完全だと見なされるのでしょうが……北条はもう居ませんから…」