「そうですね。それが無難ですね」


「魔物は気配に敏感だから気配を魔法で消しても近くまで行ったら必ず気づかれる」


「はい」


「だからある程度近づいたらオレが囮になるから捕縛の魔法を使って動きを止めてほしいんだ」


「止めるだけでいいんですか?」


さすがに驚いて聞き返してしまった。


先輩は笑って


「好戦的だね。虫も殺さなさそうな顔して」


「……まぁ否定はしません」


昔から売られた喧嘩は倍額で買う主義だ…


「あはは♪今回は初めてなんだからまぁ様子見ってことで!」


確かに訓練はしていても実践はまた別物なのはたしかだ。


「大丈夫!オレは強いよ」


先輩も自信満々だ。


「わかりました。動きを止めればいいんですね」


そう言ってから窓の外を見ると村が見えてきた。


「伊織村が見えてきた」


「それが今回被害にあった村だな」


そうこうしているうちに村に到着した。


馬車を降りると村人たちが集まって来ていた。


村人に向かって伊織先輩が話始めた。


「私達はアカデミーから派遣されてきました。私は南 伊織です。こちらが北条 利都です」


……話し方が全然違う