「ひっく、彩夏な、朔弥くんが野球部やったことがきっかけで野球好きになったん。でも、フラれてから、野球の話しやんくなって…。あたしっ、今日つれてきたん間違ってたかな…。確かに野球好きになったんは朔弥くんがきっかけやけど、彩夏、途中から本気で野球好きになってたから、野球見たら元気なるかなって思ってん。でも、あたし間違ってた…。今日、試合見てる彩夏、つらそうやった…。やっぱり野球は今の彩夏にとって辛いものでしかなかったっ!!彩夏にとって朔弥くんの存在は、あたしが思ってた以上に、…大きかった」
「そんな自分責めんなって!」
悠馬は菜穂子を抱き寄せた。
「きっと大丈夫やから。これから彩夏には、いろんな出会いがある。きっと朔弥を忘れられる時がくる。それまで、俺らがそばでささえたればええやん。な!」
悠馬は必死に菜穂子を慰めた。
悠馬の言葉に菜穂子は何度も頷いた。