空は快晴。
ラベンダーの香りが漂う中、橘 蜜は目を覚ます。

「お嬢様、遅刻しますよ。」

「あー、うん」
これはお付きの黒鉄暁羅。
少しズレた眼鏡を手でかけ直す。
ベッドから起き上がると、朝食を食べに階段を下りていく。
「気をつけて下さい」
暁羅が手を引きながら言う。
私だってもう16歳、子供じゃないんだから、そんな事分かってるわよ。
うちのお付き達は物凄く心配性だ。
暁羅に注意をされながらも、無事階段を下り終える。