伊原君が見えなくなるまで後ろ姿を見送る。

ホント歩いた後がキラキラしてるみたい。

沈んでた気持ちが、伊原君と居ただけでまるでプレゼントを貰ったみたいにキラキラした気持ちになった。



誰も居ない真っ暗な家の中。



おかーさん、まだ仕事かな?



そう思いながらリビングに入り電気を付けると、テーブルの上にケーキをラッピングしたリボンの切れ端。



なんだか、それがやけに空しく見える。



鞄からケータイを取り出して開く。

おかーさんからの着信とメールが入ってる。

彰からなんも無い事にヘコむ。



自分で勝手に飛び出してきたんだけど…。

でも、あれ以上いたらもっと色々言っちゃいそうだった。
もっと自分がおかしくなりそうだった。

信じられない気持ちと疑う気持ちで心が一杯になって

きっと爆発しちゃってたよ。

彰も私も好きなんだから、大丈夫って信じたい気持ちと

でも、もしかしたらって思っちゃう不安な気持ち。



信じたいのに…

信じれない



そんな真っ黒い私の心を彰に見られたくないよ。



また心にモヤモヤが復活してきそうで気分が悪い。