「なんか告られてるぽくね?」
友來が言う。
「私もそう思った。」
「だよね…。」
ここからは女子の顔とかはハッキリ見えないけど、少し俯いて恥ずかしそうに向かい合って立ってる。
その女子が可愛い感じなのは、何となくここからでも分かった。
しかも制服のリボンの色が青、彰と同じ2年生だ。
私と付き合ってるの知らないのかな…。
それとも知ってて告ってるのかな…。
後ろ向きの彰…
どんな表情でそこに立ってるんだろう…。
彰がそこそこモテるのは知ってた。
私が入学して来た頃にも、年上の女子やタメの子と付き合ってたって聞いたし。
でも、私と出合ってからは誰とも付き合って無かったって言ってたし…。
何でか、不安な気持ちになる。
ただ彰は一方的に告られただけなはずなのに。
このモヤモヤした気持ちはなんだろう。
―えっ………?
その時女子が、彰の首に腕を回し抱き付いた。
だんだん女子の顔が、彰の顔に近付いて行く。
ヤダ…
ヤダよ…
心の声は、声にもならない。
私と友來は2人そろって、窓ガラスに思わず手を付いて息を殺し見ていた。