すっかり静かになった放課後の廊下。


この廊下の端からは学校でユイツ、北東の校庭のサッカー場と北西側のテニスコートを同じスペースで眺められる。


私はサッカー部

友來はテニス部

それぞれ眺めてる。


いつも1時間位、見て私達は帰るのが習慣になってた。



先輩達は今日は体力作りかな。

コートの端から端を何本もダッシュしてる。


アレやってる時、最後の方はみんな死にそうな顔して走ってたな。

マネをやってた時の光景を思い出す。


ダッシュも終り顧問が時計を見ながら選手達に何か言うと、みんな水分補給したり、顔洗いにいったりし始めた。


休憩かな?


そう思って友來の方に行き、テニスコートに目をやる。



「サッカー休憩になっちゃったぁ。」



「…そうみたいだね。」



友來の方を見ると、テニスコートじゃない所に目線を止めていた。



……?



友來の視線の先を追うと、



アレ?
…彰?



後ろ姿だけど、彰だ。

顔を洗ったのか、タオルでふきながら

制服姿の女の子と話してる。

しかも、他の部員から見えずらい倉庫の影で。



一瞬不安な気持ちが過ぎる。