私の様子が変だと思った建斗は声をかけてくれてる。

でもそんなのどうでもよかった。


「聖ちゃん......」

私は壊れたロボットのように聖ちゃんの名前を呼んでいた。


私の目に映る聖ちゃんはしだいに近づいてくる。

気付けば私は聖ちゃんの腕の中。


「聖ちゃん...?」

「おい秋吉だっけ?
 こいつに手ぇ出すなや。」

聖ちゃんは私の呼びかけに応答せず建斗に話し掛ける。


「お前長谷川の何?」

「幼馴染ってとこ?
 お前は彼氏くん?」

聖ちゃんは馬鹿にしたように建斗を見る。


「わかってんなら長谷川から離れろ。」

「あ~それ無理。
 泉と俺絶対離れられないもん。」

そう言った聖ちゃんは私を強く抱きしめてくれた。

そして私と向き合って


「付き合ってやれるか分からない。
 けど傍に居て欲しい。
 我が侭だけどさ。」

って言うの。

後ろで建斗が『まじ我が侭』って悪態ついてた。


「俺なら絶対泣かせない。
 大事にするしいつでも傍にいれる。」

建斗......

私どっちか傷つけちゃうんだよね。