確実に想いが膨らんでいく中、最初の授業は先生の授業。


英語。



先生が好きでも英語は好きになれません。




「じゃ、38P開いて~・・・英文読むからちゃんと聞けよ」



先生が、机と机の間を歩きながらスラスラと英文を読む。


私は先生の姿を自然と追う。




"ドキっ"



また心臓が波を打った。


先生が、私の席の所で立ち止まって英文を読んでいる。



私は視線を教科書に移し、先生が立ち去るのを待った。


だけど先生は、私の席の所を離れない。



絶対また面白がって、私の席の所で立ち止まってるんだって思った。



だから私は、先生にそーっと視線を移した。



だけど先生が見てるのは、教科書じゃなく・・・



私の斜め前に居る、章吾だった。



教科書の英文を全部覚えているのだろうか、章吾から視線を逸らすことなく、英文を一字一句間違えることなく読んでいた。




(先生・・・・なんで章吾を見てるんだろう)