実来を送った後、車を止め、一人公園で考え事をしていた。




実来のやつ、宍戸に会って本当に大丈夫なのか??


宍戸も、俺の事恨んでるだろうし・・


何か仕掛けてきてもおかしくないだろうな。


まぁ実来にはたぶん被害はないはずだが・・あんだけ言えばな。




そういやー俺、兄貴達との事が解決したら・・実来に想いを伝えるなんて考えてたっけなぁ・・・。


本来の俺なら・・恋愛に全く興味なかったのにな・・。


まぁ、桜子とのことは思い出したくもない過去だから、俺の中にはない思い出だ。





しかし、俺が年下をねぇ・・。




ふと俺は、何で実来を好きになったのか考えてみた。




出逢った時のあいつの目。


全く俺と同じ目だった。


もう何もかもを失った目。


もう、なにもいらないという目。



それを見た俺は、実来をほっとけなかった。



ただそれだけだ。



実来を壊してしまえば、俺まで壊れる気がしてならなかった。

繋がってる気がした。



俺はこんなにも実来を愛おしと思う。


俺はこんなにも、あいつを幸せにしてやりたいって思う。


結局、何を考えてもそれしか浮かんでこない。


だけど案外、人を好きになるってそういうことなのかもしれないな。



理由なんてどーでもいいのかもな。



ただ、これだけは言える。






決して、同情で実来を想ってるわけじゃないって事。