林檎のいい匂いが、キッチン中に広がって、私の楽しさも増していった。



「~♪~♪」



私はいつの間にか、鼻歌まで歌っていた。



「なんだ実来、楽しいのか??」


「え??あ、は、はい・・」



私は、市販のパイに林檎の甘煮を乗せながら、答えた。



美味しそうに林檎が輝いていたから、私は林檎の甘煮を一つ手に取り、試食した。




「んっ!!」


「どうした??」


「先生!!美味しい!!これ最高だよ!!」



本当においしくて、先生に笑顔を向けて、言った私。



「実来・・・・」



先生は、真剣な表情で私を見ている。



「あ・・・ごめんなさい・・つまみ食いはダメですよね・・」


私は反省した。




「俺にも、頂戴・・林檎」


「え??」



先生・・・様子が変。