「突き飛ばして悪かった…大丈夫か?」


首を絞めてきた相手だというのに、手を差し伸べるなんてこの人は馬鹿なのだろうか?


思わず、差しのべられた手を拒否してしまう。

すると目の前に来る、綺麗な顔――


「アリス、俺の名前は、アリスだ。」


今度は、はっきりと声が聞こえた。


「…アリ、ス?」


震える手を掴まれ、起こされる。