──…チュンチュン!


この鳥のさえずりを聴くのも後は明日の朝の1回だけか…はぁ、何か1つ1つの事に干渉してしまう…



「今日は明日の準備しないとな…」

コンコン…


「祈里くんっいる?」
「んー?」


ガチャ…

「お邪魔しますっ」

「!!!?」

──…かっ、夏清ちゃん!!


「かっ、夏清ちゃんっ!どっ!どうしたの!?」

「あははっ、えっとね祈里くんが明日ここを出てっちゃうって聞いて、昔から仲良くしてもらってたから、最後に少しお喋りしようかなって」

「そ、そっか!」

「あっ!?もしかして今、忙しかった!?そうだよね明日の準備あるもんね、ごめんっ。じゃあ私…」

「ぜぜぜぜっ!全っ然!!大丈夫だからっ!!気にしないで!!」

「そっ、そう?」

「うん。何かわざわざありがとう。」


花菜束 夏清(はなたばかすみ)ちゃん。同い年で、僕より1年後に神子院に来たらしい。昔から俊悟、僕と3人でよく遊んでいた。

漆黒の大きな瞳と茶色いボブがよく合っていて、神子院のシスターになるのが夢だと話す、僕の長年の片想いの相手…