「君の…母方のお祖父さんなんだ。」
────、家族。
お祖父さん…僕の肉親…。
『生まれて初めて家族というものを感じた瞬間だった…』
「──でもっ何で、突然!?」
「8年前だった…礼のお父さんとお母さんが行方不明になったんだ…。そしてその時、あいつらの家を調べたら手紙が出てきてな…、そこにこう書いてあったんだ…」
〜私はこの事をずっと悔いています…それは6年前。貴史さんとの間に出来た双子の赤ん坊を私達の経済力のなさや身勝手で手放してしまった事…普通なら今、あの子達は6歳…こうして生活が安定した今。引き取りに行こうと思えば、いつだってあの子達を迎えに行ける…でも、そんなの失礼だと思うんです。勝手に棄てて、また都合が良くなったから拾うなんて私には出来ません…。いったいあの子達は今、どんな風に成長しているでしょうか?もし良ければ、これを読んでいる貴方…才と礼を探して…〜
────、は?
何だよ、意味が分からない…
「だから、お祖父さんが僕を探しに来たってワケですか?」
「──、まあそういう事になるな…」
「ん?じゃあ僕が礼なら、この、「才」って誰なんですか?」
「ああ、まだ見つけられてないんだが、礼の」