───ハッ…
勢いよく瞼が開かれ、『祈里 礼』は夢の世界から現実に引き戻された。
最近、あの夢をよく見る…でも施設で今まで育ってきた僕には全く無縁のような世界の景色…あの男の子、髪の色や瞳の色からして英国の子供っぽかったけど…
「──ッ、ゲホッ!!ゴホッ!!」
それにしても窓の外からこちらを寂しそうに見るあの子供の瞳には酷く胸が締め付けられる感覚を覚える…
何なんだ…あの青と灰のオッドアイの大きな瞳は一体僕に何を語りかけているんだ?
「おい、おいっ!礼っ大丈夫か?」
「!──ゴホッ…」
こいつは『俊悟』
教会の一部に造られたこの児童養護施設『神子院(シンシイン)』の同い年のルームメート。
「あぁ、大丈夫だ…起こしてすまない…」
「別にいいって、けど無理はするなよ?」
「うん、ありがとう…それじゃ、おやすみ。」
「おう。ふぁ〜、おやすみ〜…」
────、はあ…疲れてんのかな?
でも、兄弟っていいだろうな…それに、家族って一体どんなものなんだろう…
そんな事考えたってわかりはしないんだ!!もう寝よう、
───チュンチュン…