気付いたら、弟はあたしの腕の中で血塗れになっていて…………


視線を上にあげると

毒々しい色をした雲が空を覆っていた


『ねぇ……アユム……

起きてよ……………

いつもみたいに「姉さん」って呼んでよ………

あたしはあんたがいなきゃ………


何にも出来ないんだよ』


怒ることも――――

喜ぶことも――――


唯一出来る事は、

ただただ涙を流すことだけ――



いつのまにか、空からも

大粒の涙が流れていた―――


まるであたしを責め立てるように――――…