「あはは…は、は」

あたしは乾いた笑い声をあげながら、ヨウコ先生たちに近づいてぺこっと深く頭をさげた

「葉南先生って、ずいぶん良い男と知り合いが多いみたいねえ」

ヨウコ先生が、にやっと笑うとケンケンとマサ君に目をやった

「えっと…」

「ケン、マサ、こっちに来い!」

あたしの隣に立っていた片岡君が、帰ろうとしていた二人を呼びとめた

「あら、偶然! これで3対3ができたぁ」

ケイコ先生が、両手を叩いて嬉しそうに声をあげた

「え? ええ?」

あたしはヨウコ先生と片岡君の顔を交互に見合わせた

「だって、消防士さんは?」

「喧嘩見て、逃げちゃった」

ケイコ先生があきれ顔で口を開いた

「じゃ、朝まで飲むわよ!」

「ええ?」

あたしは片岡君の目を見る

「ま、仕方ないね」

片岡君は肩をすくめると、苦笑した

「『仕方ない』って思っているのは、チョーだけだよね」

マサ君がぎろっとあたしの顔を見てきた

「ご…ごめん」

あたしはマサ君に謝った