疑惑が確信に変わったせいで
式の間中、ずっと冷や汗を流し続ける羽目になった。
こんな偶然アリ?
『運命』とか喜んでられるほど楽観的じゃない。
むしろ『神様の嫌がらせ』とも受け取れるこの現状…
あたしが何をしたって言うんだ。
教師と生徒が付き合ってるなんて、こんな事
バレたら二人とも無事じゃあ居られないよね。
「長谷先生」
「はいぃぃぃいい!?」
大声で返事をしたその声は見事に裏返ってしまっている。
「式、とっくに終わってますよー」
苦笑いを浮かべる安本さんが、一人ぼーっとしていたあたしに声をかけてきた。ただそれだけなのに、罪悪感でいっぱいになる。
ゴメンナサイ…
教師になる前からとはいえ、あたし 生徒とツキアッテマス…
「職員室、戻りましょー?」
「…はい」
いつの間にかあたし達だけになってしまった体育館から出て、二人並んで廊下を歩く。