「大和のせいだぞ!!」


「お前伊集院さんだけじゃ飽き足らず、俺たちのさなちゃんにまで手を出すとは…!!!!贅沢過ぎるんだよ!!!」



あらやだ、それって伊集院さんとあたしが張り合ってるってことじゃないのかしらん??


あたしの取り合いなんてやめてぇーー♪



「お前らさ、遠くのバラより近くのタンポポ って感じなんだろ、どーせ」



「ん??どういう事かしら、田原君??」



綺麗で高貴な方は手が届かないから諦めるけど


理想とはかけ離れてる代わりに、自分にも手が届きそうな方をみんなは選んでるってことーー!?


そしてあたしがタンポポの方だって言うのかい!!


ええ、そうですとも!!!庶民ですもの!!!!!


ざわめく教室。もう授業どころじゃない!



大和は人の目を盗む様に
頬を膨らませているあたしに微笑んで


「…ばーか」


と甘く囁き、こう続ける。



俺はそんな事思っちゃいないよ…


お前はタンポポなんかじゃない。


食虫植物だ…



そうそう…食虫…って!!!


「はっ!!!?」



「だって俺フツーの花よりもそういうグロいのが好きだもん。貴重な分、バラなんかよりも魅力的だと思うけどなぁ」




「…誤魔化されないぞ。じゃー何?あたしの魅力はグロさってこと?」




いや、それは…


そう言いつつ彼は後ずさりする。



ぶん殴ってやる…!!!



と。その時。


チャイムが鳴り響いて、ざわめきが益々大きくなった。