またしても状況が飲み込めなくなったあたし。


「えっと…」


そもそもこの人、本当に教師か?


26~7歳くらいの容姿だけど… 髪の色がその考えを阻止する。


「ん?俺、保健のセンセーだよ」


「ウソだっ!ってか、なんで考えてる事分ったんですか!?」


「だって顔にまるっきり出てるもん。カワイーじゃん、さなちゃん」



向かい側に座る彼は ズイっと体をあたしに近づけて、顎に手をかけてくる。


「保健室においでよ。…診察してあ・げ・る」


バチンッ★


ま…まて。今ウインクをしたのか…!??




「…キモイよ?」



今のあたしの気持ちを 遠ノ峯先生が代弁してくれた。



「…綾チャンだってウインクして誘惑してるじゃん。生t」
「だぁぁあああああ!!!だから黙れって言ってんでしょぉ!?

…本当に子孫を残せないカラダにしちゃうよ?」


「………ズビバゼン…」



っていうか、今すぐ死んじゃいそうですが。



鼻と口を押さえられて白眼を剥きかけてる柳瀬さんを精一杯の憐れみの目で見てあげた。