「さて、学校着いたわよ」 「……ありがとうございます」 あたしは車が止まるよりも早くシートベルトを外した。 春菜さんはいつも笑顔だ。 あたしは車を降りると、少し頬を緩ませ頭を軽く下げた。 うまく、笑えてるだろうか。 これから家族になる人。 お兄ちゃんの好きな人。 つらい。 息が苦しいよ。 どうして。 どうしてあたしは、お兄ちゃんの妹なんだろう。 そんなのいらない。 妹なんて、いらない。